古びた都心のローカル終着駅

2011.10.20

王寺を出るとようやく快速運転となり、小駅を通過し始めた。大和川に沿って走るが、都市近郊区間とは思えないくらいの渓谷を通っていく。電化以前だったらSLであえぎあえぎ走った難所だろうか。いつしか電車は平地にさしかかり、久宝寺でウグイス色の各駅停車の電車を追い抜くと、さらに乗り換え客で満員となる。百済の貨物ヤードを右に見て、大阪のミナミのターミナル・天王寺着。「大和路快速」は、この先の新今宮から大阪環状線に乗り入れて大阪駅を目指すのだが、関西本線にこだわる身としては、ここで後続の各駅停車に乗り換える。ウグイス色の各駅停車は、天王寺を出ると、新今宮、今宮と停車したあと、環状線とわかれ大きく右へ曲がる。これより関西本線の終点を目指すのだ。かつては湊町といったのだが、今の駅名はJR難波。古びた都心のローカル終着駅はとうの昔に消えていて、電車は地下にもぐっていく。それほど混雑していない地下の終着駅は、アルファベットの混じった珍しい駅名である。ふりがなで「じぇいあーるなんば」と書いてあるところが珍妙だ。表に出て駅舎を振り返ってみると、それは大きく近代的な駅ビルだった。OCAT大阪シティエアターミナル)の地下に関西本線の終点は収まっていた。いにしえの名門路線は分断され、大阪寄りの部分のみが、二一世紀にあってもかろうじて本線の面目を保っていた。