マネージャーによると、開業準備は「いままで日本になかったホテルを目指そう」という考え方で進められた。ホテルだからこうすべきだ、とか、こういうことはしない、といった既成の観念には捉われないようにしようと話し合ったそうだ。「お客様の居心地を出発点にしようと決めました」最初は豪華な施設や備品に心を奪われても、サービスが伴っていないと、お客はもう一度足を運ぼうとはしない。また、最初はどんなに豪華で新しくて
過去の実績や経験を考慮しない採用方針... の続きを読む
京都というイメージを崩すことなく、食べる客の気持ちを軽くさせるのは、すべてに「過ぎない」からだろうと思う。主人の出自と比して客席からの眺めは整然とし「過ぎていない」し、料理も店の空気も京都を謳い「過ぎていない」。だからこそ客は心安らかに美味を堪能できるのだ。かつて人気を博した料理番組のスタジオに設えられたキッチンスタジアムを彷彿させる厨房を、スタッフがきびきびと動き回り、その呼吸が主人と合うときと
「過ぎない」から... の続きを読む
昨年2月、徳島から来た同級生M君とともに、東京在住の同級生Y君にご馳走になったのも同じプリンスホテルの中の隣の店だったのだ。1種の共時性現象のような感じでこれには驚かされた。そういうわけで、私たちはスローなメトロサイクリングを無事終え、祝杯を上げ、美味しい中華をたらふくいただいたのであった。そして品川駅からの輪行が楽だったことは、この上ない。わずか数分で自転車は袋の中だ。フォールディングバイクの面
プリンスホテルの中の隣の店... の続きを読む
ちょっと裏通り、裏道に入ると、そこは車も少なく、歩行者もまばらな、静寂の環境だったりすることが多い。私は個人的にはそのようなところに都市の一面の素顔があるのではないかと思っている。読書で言えば、行間を読むという感覚だろうか。日本の現代詩人の中で類稀なポピュラリティを獲得した人である、谷川俊太郎の詩集『そのほかに』(集英社)の中には、「東京抒情」という一篇があるが、その詩はこのようなフレーズから始ま
自転車で感じる都市の一面の素顔... の続きを読む
流行、或いはムーブメントが成熟してくると、きまって本物が求められるようになってくる。それは無論「和」ブームでも同じ経過を辿るのは自然の理であって、それが今日の「京都詣で」全盛に繋がっているのである。いってみれば「和」のテーマパークが京都なのだが、作り物であるそれとは、はっきり別の存在。オランダに似せた長崎の「オランダ村」が、年を経るごとに色褪せていくのとは逆に、本物は時を重ねることで、ますます輝き
本物の「和」は京都にある... の続きを読む